みなさん、こんにちは。
Pieceコガネイ編集部のあーさんです。
すっかり秋になって、散歩してまわりたい季節となりました
今回は、小金井公園からほど近くの【仕立てとおはなし処 Dozo】さんに行ってきました。
木造平屋建ての家屋を改築した懐かしさあふれる古民家カフェで、体にやさしい食事を楽しむことができますよ!
【仕立てとおはなし処 Dozo】とは
玉川上水と並行して走る五日市街道と小金井公園にはさまれたエリアが関野町です。
その関野町を東西に通る関野通り沿いに仕立てとおはなし処 Dozoはあります。
小金井公園の正門口から、通路と交わるように通る関野通りに入り、まっすぐ進むとわかりやすいです。
正門口と、江戸東京たてもの園に続くたてもの園入口の真ん中あたりです。
こちらの道は『小金井 江戸の農家みち』としても有名。
みち沿いには野菜の直売所が並んでいて、歩いてみるのも楽しいですよ。
公共交通機関を利用する場合、武蔵小金井駅と東小金井駅を結ぶCoCoバス北東部循環に乗って、「小金井公園入口」で下車し、玉川上水にかかる平右衛門橋を渡って正門口に向かい、そこから関野通りに入るとわかりやすいです。
もしくは、CoCoバス北東部循環「たてもの園入口」で下車し、新小金井橋を渡って住宅街の小路を通っても行くこともできます。
関野通りに面しているこちらのガラス戸にはメニューが書かれていて、ガラス戸まわりのモッコウバラや手作りの看板やディスプレイと相まってとてもおしゃれ。
角を曲がるとテイクアウト用の注文カウンターがあります。
イートインの場合は、お庭の方にまわって縁側から入ります。
縁側では三毛猫のクミンがお出迎えしてくれました。
お庭にはテーブルとベンチが並べられていて、天気が良い日は外で食べるのも気持ち良さそうです。
南向きの家屋なので、室内にもやわらかい日差しが届いて、畳敷きのお部屋ももちろん気持ちいいですよ。
木造平屋建ての家屋はなんと築90年、まさに昭和レトロ!
「ここも江戸東京たてもの園の施設では?!」と思うほど、当時の家屋の造りが残っています。
実際に、建築の勉強をされている方々が見学に来るほどだそうです。
天井部分は外してあって、梁や屋根の造りも見ることができます。どことなくジブリの世界のような、まっくろくろすけがいそうなかんじが…
お店に来た子ども達の中には、ちょっぴり怖がる子もいるそうですよ(笑)
室内にはテーブルに椅子、座卓の席などがあって好きなところを選ばせてもらえます。一番奥の三畳ほどの角部屋はとても雰囲気があっていいですよ。
インテリアのひとつひとつがが家屋の雰囲気にマッチしていて、ずっと室内を眺めていたくなる、そんなお店です。
メニュー
メニューを見るとバラエティ豊かで、どれも体に良さそうなものばかりです。
『四国の叔母さんからおぼえた讃岐うどん』なんてとても気になる…
ドリンクメニューも、農工大の乳酸菌飲料や季節のシロップドリンク、長期発酵甘酒など、他では味わえないものばかり。
お酒もいろいろ飲めるんですね。
コーヒーはネルドリップで丁寧に淹れていただけますよ
テイクアウトもできるので、小金井公園の芝生広場でピクニック気分でいただくのも良いかと!
今回は、『インドで覚えたチャイ』を飲んでみたかったので、食事は『スパイスチキンカレー(チャパティつき)』に決めました。
席に着くと、「鉄瓶で入れた白湯です」と、温かい白湯のサービスが。
角がとれてやわらかみのあるおいしさと言いましょうか、鉄瓶で沸かした白湯は格別です。
白湯を味わいながらカレーを待ちました。
スパイスチキンカレー
木製の平皿に木製の器、木製のスプーンと、木のぬくもりを感じるワンプレート。
こちらのお店のカレーには、手のひらサイズの手作りチャパティが3枚添えられています。
日本の巷のインドカレー屋さんではナンがよく出されますが、南アジアではチャパティが一般的で、家庭でカレーを作る場合はもっぱらチャパティです。
チャパティをちぎってカレーをすくっていただきます。
野菜は細かく刻んで形がなくなるくらい煮込まれているのも、まさに南アジアのカレー。
チキンもスプーンでスッと切れるくらいの柔らかさ。
チキンカレーはスパイスがしっかり効いていながらも一体感があり、味わい深いです。
その中で、フェンネルのアクセントが効いていて、香りが口の中に広がります。
あまり食べ慣れないスパイスですが、チキンとの相性がとても良いです。
レストランで食べるカレーとはまた違って、どこか素朴で優しい味という印象を持ちました。
インドの「本格的な」家庭料理というイメージがぴったりのおいしさです。
実際に、ご主人がインド北部を旅してきて、インド北部の田舎のカレーに慣れ親しんできたそうです。
インドで覚えたチャイ(HOT)
茶道で使われる茶碗のような大きめの陶器のカップにたっぷりと注がれています。
こちらのカップは、お店で個展やワークショップを開かれる作家さんの作品です。
取手がないので、両手で包み込むように持ち上げて飲むことになるので温かさが直に伝わってきます。
冬の時期はきっと一段とおいしくいただけるのではないかと思います。
飲んでみると、やさしい甘みにスパイスのピリッとした辛さがあとからきます。
ジンジャーやシナモンがしっかりと効いたマサラチャイ。
本格的でとてもおいしいです!
「スパイスは何が入っているのかな…?」「この味は…あのスパイスかな?」と考え巡らせながら飲むのも楽しいです。
お庭や室内をいろいろ見てまわるのも楽しいです
室内にしつらえた棚やもともと押入だった部分には、骨董品や暮らしの雑貨・荒物、手紙、各種小物などが並べられています。
どれも昔は普通に家庭で使われてきた生活に根付いた道具で、大切に使っていけば愛着がわいてくるものばかりです。
板の間には手ぬぐい生地で作れた衣服なども掛けられています。
お庭では地元で穫れた野菜や季節の果物が、直売所と同じスタイルで販売されています。
今回伺ったときにはコンテナいっぱいの柿が。
ちょうどお散歩で立ち寄ったご高齢の方と、「この柿、しっかり熟しておいしそうですね」とお話しして一緒に柿を購入しました。
ここは地域の方々とのコミュニケーションが生まれる素敵な場所です。
「仕立て」担当の奥様と「おはなし」担当のご主人
お店を切り盛りされているご主人と奥様に少しお話しを伺いました。
こちらのお店では食事の提供のほかにも、お二人がそれぞれ取り組んでいることがあります。
「仕立て屋 so-sen」
奥様は仕立て担当。
和裁の技術を用いて着物づくりや普段の生活で着れる衣服なども仕立てています。
オーガニックコットンや土に還る自然素材を使用して、使う人のことも環境のことも仕立てに取り組んでいます。
布を無駄にしないように裁ち、縫って仕立てていく和裁の技術は、先人からの知恵と工夫から生み出されたもの。
その和裁の楽しさを伝えるために、和裁や着付けのワークショップも開いています。
仕立て屋 so-senのホームページやInstagramで作品や日々の活動を見ることができますよ。
「物語屋」
おはなし担当のご主人は、「声と言葉でどこまで想像力を広げられるか?」ということを探究し、口語りによる表現に取り組んでいます。
物語屋のホームページでは、その口語りの数々が収められています。
まるでラジオ小説を聴いているような、風景が脳裏に浮かぶ語りです。
「風の谷のナウシカ」の口語りではコミックの描写を細かくていねいに言葉に換えて、登場人物の声もすべておひとりで演じ語っています。
近年は新型コロナウイルス感染症拡大のため、対面でおはなしを演じる機会がなかなかなかったそうですが、そろそろ開催していきたいとのこと。
大晦日には落語『芝浜』を演じることが年末恒例となっています。
ぜひ聴きに行ってみたいです!
【仕立てとおはなし処 Dozo】のまとめ
小金井公園を訪れたときや、江戸の農家みちを散策した際に気軽に寄れるお店です。
江戸東京たてもの園を見学したあとに、分館を見学する気分で立ち寄るのも良さそうです。
さまざまな道具やインテリアに囲まれて、ついつい長居してしまいそうな、ゆったりとした時間が過ぎていくお店です。
仕立てとおはなし処 Dozoは「衣・食・住」ひとつひとつを大切にされています。
「ていねいな暮らし」に興味のある方はぜひ寄ってみてください!